スイスの新婚旅行を調べはじめると、たぶん3サイト目くらいで気づきます。
「どこも、同じルートを勧めてくるな・・」と。
ツェルマットでマッターホルン、ユングフラウヨッホ、ルツェルンの旧市街、そこに氷河特急。
順番が入れ替わるだけで、中身はほとんど変わりません。
結論を言うと、その王道は正しいです。崩す必要はありません。
ただ、7泊も8泊もある日程のうち、たった1日だけ、ほかの誰のプランにも入っていない場所に使ってみませんか、というのがこの記事の提案です。
スイスに住んで15年、専用車のプライベートツアーをやっているガイドのTuri(トゥーリ)です。TuriTravel というツアーサービスを、妻のHelenと2人でやっています。その立場から、なぜみんな同じルートになるのか、その王道のどこに落とし穴があるのか、そして「ふたりだけの1日」をどう足すのか情報を記載します。
ちなみに、うちのサービスは、2人旅なら鉄道より高いです。
でも、納得できる理由も、お伝えします。
目次
スイスの新婚旅行は、なぜ全員ほぼ同じルートになるのか

王道ルートが全員同じになるのには、ちゃんとした理由があります。
スイスの鉄道網と山岳交通が、そういう形をしているからです。
だから王道は正しいし、初めてのスイスなら素直に乗ったほうがいいです。
スイスの「絶景」と呼ばれる場所は、実はかなり偏っています。
ユングフラウ地方(インターラーケン、グリンデルワルト、ラウターブルンネン)と、ツェルマット。
この2つに、登山鉄道もケーブルカーも展望台も集中しています。そして両方とも、チューリッヒやジュネーブの空港から鉄道で無理なく行ける位置にある。
だから「チューリッヒ着 → インターラーケンに数泊 → ツェルマットに数泊 → 空港へ」という形になるんです。
ルツェルンは動線の途中にあるので挟みやすく、氷河特急はツェルマットとサンモリッツを結ぶので、日程が長い人が足しています。
スイストラベルパスの元が一番取れるのも、この形です。
つまり王道ルートは、誰かが決めた「おすすめ」ではなく、地理と鉄道の都合が出した答えなんです。
真似して間違いありません。
ちなみに日数の目安ですが、ユングフラウヨッホは往復と山頂の見学だけで6〜7時間かかります。
他の予定と同じ日に詰めてはいけません。
5月〜10月末は事前予約が必要で、朝一番の列車がおすすめです。
この1日をきちんと確保すると、5泊7日ならユングフラウ地方1エリアで手一杯、2エリア回るなら7泊9日は欲しい、という感覚になります。
日別のモデルコースは別の記事にまとめてあるので、旅程スケジュールはそちらを参考にしてください。
スイス新婚旅行の予算と日数は?

ヨーロッパ方面の新婚旅行は、2人あたり平均117万5,000円・平均8.5日(マクロミル/ゼクシィの調査、2025年11月・回答者547人)。
スイスはヨーロッパの中でも物価が高い国なので、この平均は下限に近いと考えておくのが安全です。
もう少し具体的な数字を置いておきます。
2026年夏出発の大手旅行会社のスイス9日間パッケージは、エコノミー利用で1人83万9,800円〜98万9,800円。
2人なら約168万〜198万円です。
新婚旅行だからと奮発してビジネスクラス利用のコースだと1人140万9,800円〜171万9,800円なので、2人で280万〜344万円になります。
新婚旅行の予算としては大きく見えますが、この層の感覚はちょっと違います。
実際、こんな質問があります。
「往復13時間のフライトが不安なので、ビジネスクラスで1人150万円は妥当でしょうか」という質問
回答が「妥当だと思います。距離が長いので、疲れない方が良いです。ましてやハネムーン」。
そうなんです。
スイス新婚旅行の費用を調べている人が知りたいのは「安く済ませる方法」ではなくて、「一生に一度の旅に、どこまでお金をかけたら納得できるか」なんですよね。
参考までに、個人手配で組む場合の交通費の目安も置いておきます。
スイストラベルパス8日間・2等は1人439 CHF(およそ87,800円)、1等なら697 CHF(およそ139,400円)。
2人だと2等で878 CHF(およそ17万6,000円)です(いずれも2026年時点の料金です。年をまたぐと改定されることがあるので、公式サイトで最新をご確認ください)。
それとお土産代。これが意外と大きくて、新婚旅行の平均は2人で8万9,000円かかっています(リクルートブライダル総研「結婚マーケット調査2025」)。
航空券・宿泊・食事まで含めた費用の内訳は、別記事で細かく分解しています。この記事では繰り返しません。
新婚旅行の4人に1人以上が喧嘩している原因の1位は「移動で疲れる」

新婚旅行で喧嘩をした経験が「ある」と答えた人は27%。4人に1人以上です(マイナビウエディングの調査、2024年3月)。そして原因として挙がったものの筆頭が、「移動で疲れてしまう」でした。ここからが本題です。
原因として挙げられていたのは、この6つです。
- 移動で疲れてしまう
- やりたいことが違う
- 道に迷った
- 食べ物が合わない
- 予定がいっぱいでイライラ
- 犯罪に巻き込まれる
スイスは治安がいいので6はまず心配いりません。全くないわけではありませんが・・。
でも1〜5は、むしろスイスだからこそ起きやすい。
移動で疲れる。 スイス旅行は、鉄道での移動が本当に多いんです。しかも旧市街は石畳が多い。大きなスーツケースを2つ引きずって、毎日のように乗り換えて、ホームと車両の段差を上り下りする。これは想像の3倍こたえます。
この問題は別記事で詳しく書いたので、そちらもどうぞ。
食べ物が合わない。 8泊10日でスイスを回ったご夫婦のブログに、こんな一文がありました。「体調悪い時は絶対激しく回ったり、飛んだりしたらアカン」。ほぼ毎食がパンと小麦で胃をやられた、という体験です。フォンデュもラクレットもおいしいのですが、連日続くとしんどい。
予定がいっぱいでイライラ。 そして天気。旅行記や掲示板でよく見るのが「3日間の滞在で、3日目にやっと街からマッターホルンが見えた」「スイスは晴れていないと楽しさが半減する」という声です。これは大げさではなくて、本当にそのとおりなんです。詰め込んだ日程は、天気が崩れた瞬間に一気に破綻します。
時期と天候の考え方は、こちらにまとめてあります。
つまり、スイスのハネムーンで一番のリスクは「絶景が見られないこと」ではなく、「移動と段取りに疲れて、ふたりの機嫌が悪くなること」なんです。ここを設計で潰しにいきましょう。
王道を崩さずに「ふたりだけの1日」を足す、3つの方法

やることは3つです。
①山の上に1泊する ②天候の予備日を1日持つ ③1日だけ、移動手段を変える。
①と②は多くのサイトが書いているので短く済ませます。
この記事の主題は③です。
①山の上に1泊する。
ツェルマットやクライネ・シャイデックのように、山の中の宿に泊まる。日帰りの観光客が下山したあとの夕方と、翌朝の早い時間。この2つの時間帯だけは、あの景色がほとんど貸し切りになります。新婚旅行で1泊分だけ奮発するなら、私はここを推します。
②天候の予備日を1日持つ。
展望台に行く日を「この日」と決めてしまうと、その日が雨だったら終わりです。同じ場所に2泊して、天気のいいほうの日に登る。これだけで、天候の運が半分になります。
③1日だけ、移動手段を変える。
全日程を鉄道で組んでおいて、そのうちの1日だけ、車の日を差し込む。この「部分的に変える」という発想は、なぜかどのモデルプランにも出てきません。ツアーか、個人手配か、オーダーメイドか、手配方法の話は、たいていこの3択で止まってしまうんですよね。
でも実際には、鉄道の旅程に1日だけ車を足す、という第4の選択肢があります。そしてその1日をどこに使うかで、旅の記憶はけっこう変わります。
じゃあ、その1日をどこに使うのか。ここからが、この記事で一番書きたかった話です。
誰のモデルプランにも入っていない、第4のエリア—南スイス(ティチーノ)

スイスには、イタリア語圏があります。 ヤシの木が生えていて、湖があって、夕方には湖畔のレストランでイタリアワインが飲める地域です。そして私の知る限り、日本語の「スイス 新婚旅行」の記事で、ここを勧めているものはほぼありません。
スイスは、九州とだいたい同じ大きさの国に、ドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語の4つの文化圏が同居しています。王道ルートはその全部がドイツ語圏で、そこにレマン湖(フランス語圏)が足される程度。国の南半分、ティチーノ州は、日本語の情報からきれいに抜け落ちているんです。
ここに何があるか、順番に挙げていきます。
ロカルノ。 街の中心にあるピアッツァ・グランデは、国際映画祭の会場になる広場です。カラフルな建物にぐるりと囲まれていて、朝のコーヒーを飲むのに、これ以上の場所はそうありません。 スイスでいちばん日照時間が長いエリアのひとつです。
アスコナ。 かつての漁港で、いまはこの地域でもっとも洗練されたリゾート地。アルプスを望む湖畔の遊歩道は必見です。イタリアの湖畔リゾートの空気に、スイスの整い方が乗っている感じ、と言えば伝わるでしょうか。
ヴェルザスカダム。 高さ220メートル。映画『007 ゴールデンアイ』の冒頭で、ジェームズ・ボンドが飛び降りたあのダムです。いまはダムの上を歩けて、ヴォゴルノ湖の眺めが広がります。度胸のある方は「007バンジージャンプ」に挑戦することもできます(要予約)。新婚旅行の初日にやるものではないと思いますが。
ラヴェルテッツォ。 ここが本命です。通称「スイスのモルディブ」。 エメラルド色のヴェルザスカ川に、二重アーチの石橋ポンテ・デイ・サルティが架かっています。地元の石で建てられた伝統的な家々(ルスティチ)が並ぶ、おとぎ話のような村です。川べりの大きな岩の上で休んだり、天気が良ければ冷たい水に足を入れたりできます。この地域でいちばん写真映えする場所です。時刻表に追われないので、川べりの岩の上に何分いるかは、おふたりが決められます。
ルガーノ。 スイスで最もイタリアに近い街です。ブランドのブティックが並ぶヴィア・ナッサ、湖のすぐそばのパルコ・チアーニ。雪をかぶった山の麓に、ヤシの木が茂っている。 この光景は、スイスに来たつもりの人ほど混乱します。すぐ近くのメリデには「スイスミニチュア」があって、スイス中の名所130以上が25分の1で再現されています。ガリバーになった気分で、これから行く場所・もう行った場所を上から眺めるのは、単純に楽しいです。
そして、ここからが本番です。
国境を越えて、イタリアのコモ湖へ。 メナッジョで車を降りて船に乗り換え、「黄金の三角地帯」を巡ります。ベッラージョは「湖の真珠」と呼ばれる街で、シルクや地元のワインを売る店が並ぶ、狭い階段状の通りに迷い込むのが正解。そしてヴァレンナ。ここに有名な「赤い恋人たちのプロムナード」があります。青い水面に、カラフルな建物のファサードが映る。新婚旅行の一日として、これ以上わかりやすい場所を私は知りません。
さらに、この2つのエリアをつなぐ「2日間融合プラン」というやり方もあります。ルガーノ・コモ湖のルートと、ヴェルザスカ渓谷のルートを2日に分けて、その間の夜をアスコナで過ごす。1日目の締めくくりに、アスコナの湖畔プロムナードのレストランで、夕日が湖に映るなかイタリアンワインを飲む。 急ぐのではなく、体験のほうを選ぶプランです。
ひとつだけ注意点があります。この場合、アスコナで1泊分のホテル予約が別途必要になります。私たちがお預かりするのは車と案内で、宿の手配は含まれません。
なぜここは、鉄道だと行きにくいのか

ティチーノ州の主要な街(ルガーノ・ロカルノ)までは、鉄道で行けます。行きにくいのは、その先のヴェルザスカ渓谷とコモ湖です。 これは宣伝ではなく、地理の話です。ゴッタルドのトンネルを抜ける路線が通っていて、ルガーノにもロカルノにも駅があります。
南スイスで行ける場所と、公共交通での行きやすさを一覧にしておきます。
| 場所 | 何があるか | 鉄道・バスでの行きやすさ |
|---|---|---|
| ルガーノ | ヴィア・ナッサ、パルコ・チアーニ、近郊メリデのスイスミニチュア | 駅あり。鉄道で行けます |
| ロカルノ | ピアッツァ・グランデ(国際映画祭の会場) | 駅あり。鉄道で行けます |
| アスコナ | 湖畔のプロムナードとレストラン | ロカルノからバス |
| ヴェルザスカ渓谷・ラヴェルテッツォ | ポンテ・デイ・サルティ(二重アーチの石橋) | 谷をさかのぼるバス。本数が限られ、滞在時間が時刻表で決まります |
| ヴェルザスカダム | 高さ220m、映画『007 ゴールデンアイ』の舞台 | 同上 |
| コモ湖・ベッラージョ/ヴァレンナ(イタリア) | 「赤い恋人たちのプロムナード」 | 国境越え+乗り換えが3〜4回。所要が読みにくい |
ヴェルザスカ渓谷は、谷の奥にあります。 最寄りの街から谷をさかのぼるバスに乗ることになりますが、山間部のバスは本数が限られます。日帰りで往復しようとすると、「橋のところに何分いられるか」がバスの時刻表で決まってしまう。あの川べりの岩の上でぼんやりする時間が、いちばんの価値なのに、です。
コモ湖のベッラージョは、もっと厄介です。 日本語で出てくるアクセス情報は、そのほとんどがイタリア・ミラノ起点なんです。ミラノ中央駅から鉄道でヴァレンナへ約1時間、そこから船でベッラージョへ直行で15分ほど(1時間に1〜2便程度、季節や曜日でダイヤは変わります)。これはミラノに泊まっている人の行き方です。
スイス側から行こうとすると、事情が変わります。ルガーノから国境を越え、イタリア側の交通に乗り換え、さらに船に乗る。乗り継ぎが3回、4回と積み上がっていって、そのうちのどれか1本が遅れると、その日の後半の計画が崩れます。新婚旅行の貴重な1日を、乗り換えの心配に使うことになる。
だから、このエリアだけは車が向いています。地形と交通の都合で、そうなっています。
この「南の1日」を実際の日程に入れられるかどうかは、旅程全体の組み方によります。 日程がまだふわっとしている段階でかまいませんので、日本語でお気軽にご相談ください。無理があるなら「そこは今回やめましょう」とお伝えします。
2人旅なら、ガイドとの1日は鉄道より高いです

2人でスイスを回るなら、全日程を鉄道にしたほうが安いです。
並べてみましょう。
| 移動手段 | 2人8日間の費用 | 円換算 |
|---|---|---|
| スイストラベルパス8日・2等 | 878 CHF(439 CHF×2人) | およそ17万6,000円 |
| スイストラベルパス8日・1等 | 1,394 CHF(697 CHF×2人) | およそ27万9,000円 |
| 専用車を1日だけ足す | 上記+750 CHF | +およそ14万円 |
| 全日程を専用車にする | 6,000 CHF(750 CHF×8日) | およそ113万円 |
見てのとおりです。
8日間ぜんぶを専用車にするのは、2人旅では明らかに不合理です。 私はそれを勧めません。
うちの料金は、1日(8〜9時間)750 CHF(およそ14万円)の固定制で、これは車1台あたりの金額です。
1名でも6名でも同じ750 CHF。だから4〜6名のグループなら、鉄道の人数分の運賃より安くなることが普通にあります。
実際、私たちの案内資料にも「4〜6名様のグループであれば、移動コストを大幅に抑えつつ効率的に観光いただけます」と書いてあります。裏を返せば、2名だとそのコストメリットは出ないということです。
人数ごとに割り算すると、こうなります。
| ご利用人数 | 1日(8〜9時間)の総額 | おひとりあたり |
|---|---|---|
| 2名(ハネムーン) | 750 CHF(およそ14万円) | 375 CHF(およそ7万1,000円) |
| 3名 | 750 CHF(およそ14万円) | 250 CHF(およそ4万7,000円) |
| 4名 | 750 CHF(およそ14万円) | 約188 CHF(およそ3万5,000円) |
| 5名 | 750 CHF(およそ14万円) | 150 CHF(およそ2万8,000円) |
| 6名 | 750 CHF(およそ14万円) | 125 CHF(およそ2万4,000円) |
車は7人乗りのため、ご乗車は6名までです。
またスイス国外(コモ湖など)へ出る日は、この固定料金の対象外で、個別のお見積りになります。
じゃあ意味がないのか、というと、そうでもないと思っています。
見方を変えてみてください。
先ほどの数字で言うと、スイス新婚旅行の総額は航空券のクラス次第で2人120万〜350万円あたりに収まります(エコノミー中心なら120万〜200万円、ビジネスクラスなら280万〜350万円)。この総額に対して、専用車1日の14万円は4〜12%です(14万円 ÷ 120万〜350万円で算出)。
新婚旅行の予算配分で「その4〜12%を、どの1日に使うか」という問いだと考えると、話が変わってきませんか。
お土産代の平均が2人で8万9,000円であることを思えば、桁が違う出費ではありません。
だから私たちの提案はこうです。全日程ではなく、1日~2日だけ。
その1日を、鉄道では行きにくい南スイスに使う。あるいは、荷物を抱えたまま動くことになる到着日と最終日に使う。この使い方なら、費用の面でも十分に説明がつきます。
なお、コモ湖はイタリアなので、750 CHFの固定料金の対象外です。
スイス国外へ足を延ばす日は、走行距離と行程に応じた個別のお見積りになります。アスコナ・ロカルノ・ヴェルザスカ・ルガーノ・メリデはすべてスイス国内なので、この日は750 CHFです。
ガイドと過ごす1日は、何がどう違うのか

4つのメリットがあります。①滞在時間を決めない ②雨なら、晴れているほうへ行ける ③荷物と時刻表から解放される。
そして4つ目に、ハネムーンでは意外と重要な要素があります。「ガイドがいなくなる時間がある」ことです。
①滞在時間を決めません。 これはうちの一番のこだわりです。基本的なプログラムはありますが、お客様に「急がされている」「時間に追われている」と感じてほしくないので、具体的な滞在時間は決めていません。前日にビジュアル付きの行程をお送りして、どこに長くいたいかをお聞きします。8〜9時間の中で、どこにどれくらいいるかはおふたりが決めます。あの石橋の岩の上に1時間半いたって、誰も困りません。
②雨なら、晴れているほうへ行けます。 たとえばルツェルンが雨なら、天気の気まぐれを避けて、チューリッヒの先のラインの滝へ向かう。当日でもルートを変えます。鉄道の旅程では、これがなかなかできないんですよね。パスの区間、予約済みの座席、押さえた展望台のチケットなど、動かしにくいものが多すぎるんです。「3日目にやっと山が見えた」という状況で、動けるかどうか。 ここが車の日の一番の価値かもしれません。
③荷物と時刻表から解放されます。 スーツケースはトランクに積んだままです。券売機の前で悩むことも、ホームを探すこともありません。移動そのものも景色になります。車はルノー・エスパスかメルセデス・ベンツ V250 で、どちらも屋根がガラスになっています。
④そして、あえて同行しない時間があります。 ガイドを頼むかどうかで、ふたり旅の方がいちばん迷うのはここだと思うので、先に書いておきます。
たとえばツェルマットでは、私はあえて村の中まで同行しません。散策も食事も、おふたりで自由に楽しんでいただいて、私は約束した時間に車の場所で待っています。「急かされていると感じてほしくない」というのは、時間の話だけではなくて、距離の話でもあると思っているんです。ずっと横にいるのがいいガイドだとは、私は考えていません。
そのほか、料金に含まれるものと含まれないものも表にしておきます。
| 内容 | |
|---|---|
| 料金に含まれるもの | 専用車(7人乗り・ガラスルーフ)、プロドライバー、チューリッヒ・ベルン・ルツェルンのホテルからの送迎、走行距離無制限、車内の飲み物・スナック、天候に応じた当日のルート変更、チケット手配のサポート、ツアー前の日本語メール相談 |
| 含まれないもの | 登山鉄道・ケーブルカーのチケット、入場料(目安30〜100 CHF=およそ6,000〜20,000円)、食事代(ランチの目安25〜50 CHF=およそ5,000〜10,000円)、宿泊費、スイス国外へ出る日の追加分 |
お迎えに上がるのは、チューリッヒ・ベルン・ルツェルンのホテルからです。それ以外の場所からのお迎えは、日程を固める前にご相談ください。
チケットについては、ユングフラウヨッホや各ケーブルカーの分を、手数料なしで直接購入できるオンラインリンクをお渡しして、買い方をご案内しています。ここで手数料を取るようなことはしません。
最後に、記念のことを2つ。
5日以上ご利用いただいた方には、私たちからの招待として「フェアウェルディナー」をご用意しています。旅の最後の夜に、一緒に食事をする会です。長くご一緒したお礼にこちらからご招待するもので、追加の費用はいただきません。
そして旅の終わりに、ドローン映像や写真を編集した、数分間の記念動画をお渡ししています。 新婚旅行の写真は、たいてい撮る人と撮られる人に分かれてしまいますよね。ふたりが並んで写っている映像が残るのは、あとになって効いてくると思います。
7泊9日のどこに、南スイスの1日を挟むか
置き場所は3つ考えられます。
①到着直後 ②旅の中盤 ③帰国便の直前。
おすすめは③、次点で②です。
①到着直後。
時差ボケの体には、鉄道の乗り換えより車のほうが確実に楽です。ただし南スイスは国土の南側なので、チューリッヒやルツェルンからはゴッタルドを越えて南下する形になります。到着したその足で長距離を走るのは、あまり得策ではありません。到着日に車を使うなら、空港から拠点までの移動+近場、という組み方のほうが向いています。
②旅の中盤。
ユングフラウ地方とツェルマット、ふたつの山を見たあとに、まったく違う空気の場所を挟む。山続きで少し飽きた頃に、ヤシの木と湖が出てくるので、コントラストが効きます。ただし拠点の移動が1回増えるので、日程に余裕が要ります。
③帰国便の直前。
これが一番きれいに収まります。旅の締めくくりを、山ではなく湖畔の夕日にする。「2日間融合プラン」でアスコナに1泊するなら、この位置が自然です。
ホテルの移動が1回増えても、旅の最後なら荷物をまとめる負担が少なくて済みます。
日数の目安としては、7泊9日なら南スイスに1〜2日を割いても王道が崩れません。
5泊7日だと2日は厳しいので、日帰りの1日に留めるのが現実的です。
日程を組む前に一度ご相談いただければ、無理のない置き場所を一緒に決められます。
日別の旅程そのものは、モデルコースの記事を土台にしてください。
よくある質問
ガイドさんがいると、ふたりきりの時間がなくなりませんか?
なくなりません。私のほうから離れます。 ガイド付きの旅で、ふたり旅の方がいちばん気にされるところだと思います。
たとえばツェルマットでは、村の中まで同行せず、散策も食事もおふたりだけで楽しんでいただきます。私は約束した時間に車の場所で待機しています。展望台や食事も同じで、どこまでご一緒するかは事前に決めましょう。「ここからは2人で」と言っていただいて、まったく問題ありません。
ツアーと同じくらいのランクのホテルに泊まって、同じくらいの料理を食べたら、やはりツアーのほうが安いのでしょうか?
多くの場合、同じ内容で比べればパッケージツアーのほうが安いです。 航空券もホテルもまとめて仕入れているので、単価が違います。
個人手配が勝つのは、金額ではなくて中身のほうです。行き先を選べる、滞在時間を自分で決められる、天気で予定を変えられる。この3つに価値を感じるかどうかで決めてください。
コモ湖はイタリアですが、スイス旅行の途中で行っても大丈夫ですか?
大丈夫です。ティチーノ州からコモ湖までは、地図で見ると本当にすぐそこです。ただし料金の扱いが変わって、スイス国外へ出る日は750 CHFの固定料金の対象外になり、行程に応じた個別のお見積りになります。ここは事前に必ずお伝えします。
パスポートは携行してください。スイスもイタリアもシェンゲン協定の国なので通常は国境で止まりませんが、身分証明は必要です。
英語が話せません。それでも個人手配で大丈夫でしょうか?
はい、大丈夫です。お問い合わせ、お見積り、日程のご相談といったメールでのやりとりは、日本人スタッフがすべて日本語で対応します。 当日ハンドルを握ってご案内するのは、日本語を勉強中の現地の人間(私です)ですが、車内にプロ仕様の翻訳機(Vasco E1 & V4)を常備しているので、意思疎通に困ることはありません。
車を使わない日も、そこまで心配はいりません。スイスの主要な観光地は英語がよく通じますし、券売機も英語表示が選べます。それでも不安な部分(ユングフラウヨッホの予約など)については、手数料なしで買えるオンラインリンクをお渡しして、買い方をご案内しています。
雨だったら、どうなりますか?
その日のうちに行き先を変えます。ルツェルンが雨なら、晴れているラインの滝の方角へ向かう、といった判断を当日にします。
これは車の日に限った話ですが、「天気の悪い1日をまるごと捨てなくて済む」というのは、日数の限られた新婚旅行ではけっこう大きいと思います。もし旅程の中で「ここだけは晴れてほしい」という日があるなら、そこに車の日を合わせるのも一つの手です。
予定が変わったら、キャンセルできますか?
予定日の2週間前までは無料です。それ以降は20%のキャンセル料をいただいています。日程がまだ確定していない段階でのご相談も歓迎しているので、早めに枠だけ押さえておく、という使い方もできます。
安全面はどうなっていますか?
車両と全乗客をカバーする完全包括保険(ALLIANZ TRAVEL SWITZERLAND の FULL CASCO)に加入しています。
運転については、私は16歳からハンドルを握っていて、元WRCチャンピオンのエルヴィン・ピヒラー氏に師事しました。イタリア・チロル地方で13年、スイスの峠道で14年、あわせて27年以上、山道を走ってきています。 スイスの山道はカーブが多いので、ここは自信を持ってお任せいただける部分です。
チップは必要ですか?
必要ありません。 私にとっての最高のチップは、楽しい会話と、日本語を教えてもらうことです。
新婚旅行なのに「回れていなさすぎ」な気がします。日程は詰めたほうがいいですか?
詰めないでください。これは断言します。
自作のプランを見て「回れていなさすぎ、変わり映えしない」と不安になる方はとても多いです。でも現地の感覚で言うと、ツェルマットは3日いても長すぎるということはありません。 大自然が目的の旅で一番大事なのは、行った場所の数ではなく天気です。天気が悪い日に予定が入っていないこと、それ自体が贅沢なんです。
最後に
スイスの新婚旅行の王道ルートは、変えなくていいと思います。あれは地理と鉄道が出した答えで、初めてのスイスなら、あのとおりに回るのが一番間違いがありません。
ただ、その王道の中に、たった1日だけ。誰のモデルプランにも入っていない場所と、時刻表を気にしなくていい時間を置く。それだけで、「みんなと同じ写真」の中に、おふたりだけの1日が混ざります。
エメラルド色の川に架かる石橋の上でも、湖に夕日が落ちるアスコナのレストランでも、赤い恋人たちのプロムナードでもいい。旅の終わりには、ドローン映像と写真を編集した数分の動画をお渡しします。5日以上ご一緒した方には、最後の夜のフェアウェルディナーにご招待します。帰国してから何度も見返すのは、たいてい、そういう日のほうです。
日程がまだ固まっていない段階でかまいません。「こういう旅程を考えているんですが」という状態から、日本語でお気軽にご相談ください。予算的に合わないと思えば、そうお伝えします。
ツアーの内容・料金・1日の流れは、スイスプライベートツアー(現地ガイドと専用車で1日750 CHF)のページにまとめています。
あわせて読みたい記事
※記事内の価格は2026年10月時点の目安です。ツアー料金の円換算は1 CHF ≈ 189円(2026年10月1日の実勢)、それ以外は1 CHF ≈ 200円で計算しています。最新情報は各公式サイトをご確認ください。
